AJIBUTSU Professional Professional04

中途採用の倉庫職からスタートし、関西エース物流の社長へ。
所長時代に幾つもの営業所を立て直してきた、
現場再生のプロフェッショナル。

関西エース物流代表取締役社長 兼 事業企画部関西支店長(2017年9月現在)
1991年入社
梅川 和人

AJIBUTSU Professional Professional04

中途採用の倉庫職からスタートし、関西エース物流の社長へ。
所長時代に幾つもの営業所を立て直してきた、
現場再生のプロフェッショナル。

関西エース物流代表取締役社長 兼 事業企画部関西支店長(2017年9月現在)
1991年入社
梅川 和人

Career

1991~1997年:サンミックス西日本流通センター(倉庫職・乗務職)
1997~1998年:東日本流通センター(事務職)
1998~1999年:関宿物流センター準備室⇒関宿物流センター(事務職)
1999~2002年:神戸物流センター(事務職)
2002~2004年:舞洲低温物流センター(倉庫職)
2004~2005年:関西エースワークス東大阪営業所 所長
2005~2006年:関西エース物流舞洲営業所 所長
2006年    :西日本営業所 所長
2006~2008年:舞洲営業所(グループ長、所長代理)
2008~2009年:味の素物流出向
2009~2010年:広島営業所 所長
2010~2012年:岡山営業所(所長代理・所長・第二営業所長)
2012~2013年:関西エース物流(本社業務部)
2013~2014年:舞洲営業所 所長
2014~2017年:東北エース物流出向 兼 仙台営業所 所長
2017年~現在 :関西エース物流代表取締役社長 兼 事業企画部関西支店長

Introduction

梅川和人には「必仕事人」の称号を贈りたい。
というのは、課題を抱えた営業所が出現すると、その活性・再生を請け負って短期間に解決し、また次の営業所へ颯爽と向かう。所長時代の話を聞いていると、そんな活き活きとした日々が想像されるからだ。異動が多いのもうなずける。本人は「使い勝手が良かっただけです」と人懐こい笑顔を浮かべるが、つまりはタフであり、その笑顔で集団に和を作り、刷新することに長けていたのだろう。
だが降格されたこともある。悔しくて眠れない夜が続いたという。「だから、いつもニコニコしている能天気なヒトではないのです」と、必活仕事人は、再び染み入るような笑顔を浮かべた。

牧歌的な日々が過ぎた後の1週間は、朝の8時から翌朝の4~5時まで勤務。

梅川は高校卒業後、電鉄会社での6年間(駅員・車掌)を経て、24歳でサンミックス(味の素物流の母体となった3つの会社のひとつ)に入社。傘下にある西日本流通センターの倉庫職からスタートしたが、当然のことながら、最初はフォークリフトにも乗れなかった。

同流通センターは、西日本を代表する大型倉庫として開所することになり、その稼働に備えての求人を行っていた。梅川は、味の素の子会社というところに惹かれて応募。同期は20人を超えていた。

梅川の入社が1991年の2月。大型倉庫の稼働が同じ年のGW明け。それまでは牧歌的な日々が続いたという。
「同期の半数は私と同じく現地採用で、年齢も近く、職場の雰囲気はまさに和気あいあい。昼休みが2時間もあったので、みんなでソフトボールを楽しんだりしていました」
近くの神戸営業所に研修に行き、フォークリフトを練習し、免許を取りに行ったのもこの時期だ。

ところがGWが明けると事態は一変した。特に最初の1週間は、倉庫を稼働させるにあたってのトラブルが続いたこともあって、「とにかく滅茶苦茶でした」と梅川は振り返る。

「毎朝8時に出社して、仕事が終わるのが翌朝の4時か5時。たまたま最後の日だけが朝の3時に終わり、ヤレヤレと胸をなでおろしていたら、所長が『今日は1時間早く終わったので、明日は(実は今日だが)1時間早出ね』。この時はさすがにびっくりしました」

いまはどこの現場でもこれほどイレギュラーなハードワークはないが、電鉄会社から転職した若かりし梅川は、入社数か月にして物流の現場の厳しさを嫌というほど味わった。

「課題がある営業所は梅川に」。その期待を背に、各営業所の所長を歴任。

やがて倉庫職から事務職に職変した梅川は、1997年、東日本流通センターに異動。一般職が関西から関東に行くことは、当時としては珍しい出来事だった。そしてここで、梅川のその後の人生を方向づける、ひとつの出会いがあった。

梅川が西日本流通センターにいたときの元上司が、関宿(せきやど)物流センター準備室の室長として赴任することになり、「お前も来ないか」と声をかけてきたのだ。

同物流センターでは、その後、東洋一と謳われることになる冷凍倉庫の建設が進められていた。その立ち上げという大役を任された元上司。「声をかけたのは、気心知れた元部下を手元に置きたかったからでは」と梅川は控えめに言うが、もちろんそれだけではなく、元上司には“何としても梅川の倉庫職としての手腕が欲しい”との切実な思いがあったに違いない。

準備室長の右腕となった梅川は、同じく抜擢された5人のメンバーと共に粛々と立ち上げの準備を進めていった。
「関宿の冷凍倉庫は最先端の機器を備えていました。私たちの役割は、その操作方法を覚え、次に来る人たちに伝え、引き継がせること。すべてが目新しかったので楽しかったですよ」と梅川。立ち上げが終わった後、関宿物流センターが新しい勤務地となった。

2004年、関宿の立ち上げや、その後の神戸営業所での実績が認められ、梅川は関西エースワークス東大阪営業所の所長に就任。このときから梅川の営業所長歴任が始まった。

梅川は、東大阪営業所を皮切りに、関西地区、中国地区、東北地区の各営業所長を次々に務めた。課題を抱えた営業所があると所長として赴任し、短期間のうちに解決し、また次の営業所に向かうということが繰り返されたのだ。
その背景には、「課題がある営業所は梅川に」との会社の期待があったのだろう。それに応え続けた梅川の評価は異動のたびに高まっていった。

「死ぬつもりで行け」と言われ、完全なアウェイのなかで孤軍奮闘。

これまでで最も大変だった営業所はと尋ねると、「どこもそれなりに大変でしたが、一番は岡山営業所」と梅川。「当時の役員から『死ぬつもりで行け』と言われました」と続ける。

2009年、味の素物流はカルピス物流と事業統合した。その流れの中で、梅川はかつてカルピス物流の拠点のひとつだった岡山営業所に所長として赴任したのだ。

それまでカルピス流だった営業所をアジブツ流に改める。様々な抵抗があることは最初から予想できた。しかし、そこは同じ物流マン同士、仕事で実力を示せば受け入れてくれるだろうとの期待もあった。

その機会はすぐにやってきた。倉庫職の1人が「所長、もう倉庫が満杯です」と言ってきたのだ。
梅川は「いや、まだ入る。それには、ここをこう動かして、あれをこう動かして…」と倉庫職時代のキャリアを活かして指揮。その結果、倉庫は“満杯”の状態から、さらに2割増しで荷物が入った。この時から、みんなの梅川を見る目が変わり、信頼が生まれ、職場に和が根づいた。

数字を上げて行かなければ、頑張っている部下たちに還元できない。

上司に目をかけられ、順調にステップアップしてきたかに見える梅川だが、厳しい人事を味わったこともある。

「そのときは悔しさで眠れぬ夜が続き、心が折れかけましたが、同期をはじめ周りから支えられたお陰で立ち直ることができました。家族も薄々気付いていたようですが、そっとしておいてくれたのは有難かったですね」

そのような挫折を遠い過去の事として、仙台営業所長としての業務に精勤していた梅川のもとに、関西エース物流社長任命の知らせが届いた。今年(2017年)2月のことである。

「ただただびっくりしました。そろそろ転勤かなとは思っていたし、今度はどこの所長だろうと幾つか候補を思い浮かべていたのですが、まさか社長とは…」

これまでは現場をマネジメントすれば良かった。それは梅川の得意とするところである。これからは、契約社員も含めて総勢260人を超える関西エース物流全体の指揮を執らなければならない。

「抱負? そうですね、まだ不安の方が大きいのですが、会社には売上・利益・安全・品質などに数値目標があります。売上や利益は不確定要素に左右されますが、安全や品質については言い訳ができない。まずはそこをしっかりやる。トータル的には数字。数字を上げて行かないと、頑張っている部下たちに還元できませんから」

そのためには4カ所ある営業所の所長など基幹職と密な連携を取って業務を回していきたいと語る。これからも極力現場に顔を出して、これまで培ったノウハウを伝えていきたい。スタッフにとって、現場を熟知する社長の言葉は、説得力を持って耳に届くだろう。今後の計画は、次代を担える人材を育てることだ。

話のあいだ、笑みを絶やさない梅川。だが、「私は口も悪いし、所長時代は、パワハラと言われても仕方ないくらいに怒るときもありました。妥協は絶対に許さなかった。でも、部下に愛情がないわけではない…」

“愛情がないわけではない…”もちろん、それは笑顔を見ていればわかる。

梅川が物流マンに望むこととは…

いつの時代も、どの業界でも、上の世代から見ると、下の世代は頼りなく見えるもの。それを承知の上であえて言いますが、もっとガツガツ来て欲しい。特に最近は優しくて、真面目で、いい子が多い。でも、言われたことをきちんとやるだけでは、目の前に来た球をきれいに打ち返すだけでは、頭ひとつ抜けられない。先を読んで「やっときましたよ」というのが欲しいですね。言われたことをただやっているだけでは、1時間かかる仕事は、相変わらず1時間かかる。でも、先を読むと、それが50分でできるようになる。先を読むことで生み出した10分が他の仕事に使えるようになる。その差や積み重ねは大きいですよ。

それからもうひとつだけ。何かトラブルが起きた時、言い訳から入るのではなく、実際に困っているのはお客さまだということを真摯に捉えて欲しい。困っているお客さまの身になって、立場に立って考えると、目線が変わってくるはず。そのような目線で仕事をする人になって欲しいですね。

梅川からの一言アドバイス

物流は人が暮らしていくうえで不可欠なライフラインです。東日本大震災の時に、被災地まで相当な時間をかけてトラックを運転し、物資を届けたドライバーが、「ものすごく喜ばれた」と感激していたことがありましたが、それくらいに大切なものなのです。
特に食品物流は皆さんの口に入るものを運んでいるので、たとえば温度管理にしても、異物混入の防止にしても、想像以上の繊細な取り組みをしています。そこのところは知っていて欲しいと思います。

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