AJIBUTSU Professional Professional05

契約社員の乗務職から中央エース物流の社長に。
現場と教育への情熱あふれる、
マネジメントのプロフェッショナル。

中央エース物流代表取締役社長 兼 事業企画部関東支店マネージャー(2017年9月現在)
1994年入社
屋代 健

AJIBUTSU Professional Professional05

契約社員の乗務職から中央エース物流の社長に。
現場と教育への情熱あふれる、
マネジメントのプロフェッショナル。

中央エース物流代表取締役社長 兼 事業企画部関東支店マネージャー(2017年9月現在)
1994年入社
屋代 健

Career

1994~1999年:中央サンミックスCGC営業所(乗務職)
1999~2000年:座間営業所(乗務職)
2000~2005年:東扇島営業所 所長代理(乗務職・事務職)
2005年    :本社業務部(基幹職)
2005~2007年:関宿低温営業所 所長代理
2007~2013年:大黒低温営業所 所長代理
2013~2016年:東扇島第一低温営業所 所長
2016年    :中央エース物流代表取締役社長
2017年~現在 :中央エース物流代表取締役社長 兼
        事業企画部関東支店マネージャー

Introduction

屋代にニックネームを付けるなら「親分」だ。実際にそう呼ばれてきたのかもしれない。周囲を圧する貫録、強面(こわもて)の風貌、低くてシブい声。しかし、そのシブいバリトンの声で部下のことを語るときの目は、容姿とはうらはらに優しさが溢れている。
現在、中央エース物流の社長として若手の育成にも自ら取り組み、たびたび懇親会付きの講習会を開いているという。「彼らの目線まで降りていって、理解しやすいようにかみ砕いてやって…」という話に耳を傾けていると、山本五十六が遺した、現在でも通じるマネジメントのひとつの極意「やってみせ 言って聞かせてさせてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」の名言が浮かんでくる。

契約社員として入ったCGC営業所。ここで学んだ物流の面白さが「原点」。

屋代に入社の動機を聞くと「4tトラックに乗りたかったから」との答えが返ってきた。生来の運転好き。オートマが主流の現代にあってもマニュアル車にこだわり続け、現在の愛車はBMW製ミニクーパー(5MT)だ。

入社したのはサンミックス(味の素物流の母体となった3つの会社のひとつ)の子会社である中央サンミックスのCGC営業所。1994年11月、屋代は契約社員の乗務職からスタートした。

CGC(シジシー)とは、全国の中堅・中小クラスの食品スーパーが結集し、商品の開発・調達・販売を協業で行うことを目的として設立されたグループで、CGC営業所はCGC専属の配送センターである。
そのため乗務職でも単に物を運ぶだけではなく、セールスや営業職の色合いが濃かったという。バイヤーたちとの付き合いも多く、「運送会社のいち班長でしたが」(と屋代)、交換した名刺はホルダー2~3冊分にもなった。

「CGC営業所が私の原点。ここでの5年間で物流のイロハを学び、様々なことを経験し、いろんなエピソードもありました」と屋代は語る。
その「いろんなエピソード」の中から、ひとつだけ紹介しよう。

CGC営業所のあった神奈川県愛川町は、山間部ということもあり、時に大雪が降る。その日も深夜から降り積もり、車庫からトラックが出せない状況。荷主の判断もあって配送を中止にしたところ、みるみる天候が回復。各お届け先からは「まだ商品が届かない!」と矢のような催促。
屋代は、帰宅させたドライバーを呼び戻し、数時間遅れではあったものの夕方までにはすべての配送をやり終えたという。

「終わった時は嬉し涙が止まらなかった。彼らはその夜も仕事があるのに、みんな快く協力してくれた。そのことがたまらなく嬉しかったのです。彼らには今でも深く感謝しています」

一歩も二歩も踏み込んだところで考えないと、本質が見えてこない。

乗務職を長く続けた屋代に、その面白さ・魅力を尋ねてみた。
「トラック1台預かって、荷物を積んで会社を出ると、あとは自分の裁量・機転・知恵で仕事が完結するところですね」

その裁量・機転・知恵は、乗務職から事務職さらには基幹職となるにつれ、ますます磨きがかかった。

「事務職となってからは決算資料の作成や分析も担当しました。そのような仕事では、上司が求めているものより一歩も二歩も踏み込んだところで考えないと、事の本質が見えてこない。深く掘れば掘るほど面白みが出てくる。だからいまも物流という仕事を続けているわけです」

所長代理や所長時代を振り返った時、苦労したことは、特殊貨物の輸送や車両不足のときの対応。各営業所のそれぞれのシーンで部下がよく働いてくれたから乗り切れたと語る。
成功したことは、チェーン外食での配送収支の改善。また、各倉庫の最大保管数量のアップにも貢献した。

「その理由? そうですね、自分の考え・計画・イメージを部下に理解してもらい、確実に実行してもらったからでしょうか。良い結果はみんなで共有すること、さらに、なぜ良い結果となったのか、その根拠を洗い出し・検証することも大切です」

「現場力」とは現場から発想する力。それを拾い上げるのが私たちの務め。

味の素物流には「現場力」というキーワードがある。「現場力」こそが最大の商品であり、今後ともそれを強化しようとする潮流がある。

「人の配置や登用も『現場力』を基準とする方向に少しずつ変わってきています。私が去年(2016年)中央エース物流の社長になったのも、まさしくその流れにうまくはまっただけのことで、私に特段の能力があったわけではありません」

物流は近代化が著しい産業のひとつだが、近代化していく企業としての「現場力」とは、現場で新しいものを見つけ、新しいことを発想する力だと屋代は強調する。

「それぞれの現場で働いている従業員が、自分の仕事に興味と好奇心をもって、これをこう変えたらどうなるか、ああ変えたらどうなるか、と考えてみることが第一歩。その面白い発想・ユニークな考え・意表を突くイメージなどを拾い上げ、カタチにして、みんなで共有できるシステムに作り上げるのは、その現場にいる営業所長や私のような立場の者の務めです」

味の素物流グループでは、2015年から「パワーアップ10運動」を推進しているが、これはまさしくイメージや考え方を鍛える訓練だと屋代は付け加えた。

※パワーアップ10運動:指示された内容をこなすだけではなく、従業員一人一人が常に問題意識をもって改善していく「現場」をめざし、取り組む活動。この活動を通して、自ら「現場」の問題を発見し、解決していくことで現場力を上げ、現状より10%以上の生産性向上をめざす。

人はきっかけがあってスイッチが入る。それはどこだといつも考えている。

屋代が中央エース物流の社長に就任したとき、真っ先に脳裏に浮かんだのは、「どうすれば若手社員のやる気スイッチが入るか」だったという。
その手始めとして屋代は、入社して4年目までの社員30数名を4グループに分け、懇親会付きの講習会を自ら開催した。

「講習会では、味の素物流のビジョン、そのビジョンを踏まえた中央エース物流の動き、社長としての私の方針などをまず解説します。そのうえで、若手社員一人一人の日々の仕事が、それらとどのようにつながっているかを説明します。君の倉庫職としての仕事はこういう所につながっているよ、君の事務職としての仕事はこういう所につながっているよと具体的に教えてあげるのです」

社員にとってこの講習会は、企業の大きな動きの中での自分の立ち位置や、いまの仕事の意義・価値を再確認するものであると共に、彼らの企業人としての未来に希望を与えるものとなっている。

屋代は事業企画部関東支店も兼務する。関東支店のエリアは1都6県プラス新潟・長野・山梨・静岡と広範囲にわたる。そこに関わってくる若手の社員にも、いずれ何かを伝えてあげたいと屋代は熱望している。

「人は何かしらのきっかけがあってスイッチが入る。そこをうまく見つけられれば、ポン!とワンステップ上げることができるかもしれない。それは何だろうといつも考えています。こいつのスイッチはどこにあるのだろうかとね」

親分は良き教師でもあった。

屋代が物流マンに望むこととは…

何事にも興味を持つこと。好奇心旺盛であること。あれこれ考える前に、まずやってみること! いまの現実をすべて疑うくらいの奇抜な発想を持つこと。「P・D・C・Aのサイクルは、Dから始まることがあってもいいんじゃないか?」というくらいの感覚が必要なのです。
※P・D・C・Aサイクル:Plan-Do-Check-Actサイクル。管理業務などを円滑に進める手法のひとつ。

屋代からの一言アドバイス

<その1>
物流は、社会インフラとして、とても重要なもの。3K、4Kと言われた時代はもうすぐ終わるでしょう。国内ばかりでなく広く世界に目を向けたときに、「物を運ぶ」「物を動かす」「物を流す」という役割は、まだまだ奥の深い部分が沢山あります。自分の知恵で、自分の力で、社会の流れを変えてみませんか。また新しい風景が見えてくるかもしれません。
<その2>
新卒でいきなり一生の会社を決める必要はありません。自分のスタンスに合う仕事を見つければいいのです。
もし、私が居る会社で一緒に働きたいと思ったら、「何がしたいか」「何が知りたいか」、そこに自分の考えがあれば、それだけでいいと思います。
まずは、何事もチャレンジ! 実行あるのみ!

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